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ヘビの渦

2015 / City 2014-2016 /


とぐろを巻くヘビの輪はモグラの巣穴よりもはるかに複雑にできているのである。
Les anneaux d’un serpent sont encore plus compliqués que les trous d’une taupinière.
────“L’Autre Journal”n°l, mai 1990, Gilles Deleuze/ジル・ドゥルーズ
 
都市生活における思考停止や機能不全に陥った状態を脳死した都市として形象化する。
『電波の礎』
スカイツリーをモデルにした電波塔から水が頭蓋骨に注がれ、心臓が音を鳴らす鹿威しとして、都市の身体を表す。
『零人札』
市の機能不全による不在をテーマにしたデザインが鏤められている。雲散霧消の印、脳に挟まれた人型を写さない信号機、押されない非常停止ボタン、ひっくり返された戦争放棄の器から一度捨てた兵器が埃とともに再度現れる。赤瀬川原平「零円札」から着想を得る。
『肺の蓄音機』
都市の身体を規制する信号音や警戒音、環境音が流れる。肺の管から蓄音機のホーン部へと繋がる形は、身体とメディアが密接に関係し、無機質に拡張されたイメージである。
 

個展:「ヘビの渦」
会期:2015年2月6日[金] -3月8日[日]
会場:Nadiff a/p/a/r/t、東京
第7回恵比寿映像祭 地域連携プログラム参加展示、協力:nap gallery
http://www.nadiff.com/gallery/olta.html
オル太は、日本の古来より伝わる伝統的な風習、原風景から現代のサブカルチャーまで、風土に染み付いた感性と記憶にインスパイアされた、巨大な彫刻やインスタレーション、集団による肉体表現などを展開し、2011年岡本太郎現代芸術賞 (岡本太郎賞) の受賞をはじめ、国内外での展覧会、滞在制作のプログラム等にも数多く参加するなど、近年注目を集めるアーティスト・コレクティヴです。2013年にオル太が参加した金沢21世紀美術館での展覧会「内臓感覚ー遠クテ近イ生ノ声」では、古代からの生命、記憶、リズムの連なりを想起させるインスタレーション「オルガネラ」を発表し、臓器、血肉の造形を成す野外彫刻と共にパフォーマンスを繰り広げました。また、2014年のドイツでの滞在制作「GHOST OF MODERN」では、ベルリンからクラコフ、アウシュヴィッツ、ビルケナウ、チェルノブイリ、キエフを舞台に、亡霊の姿を纏ったオル太が各地を彷徨い移動しながら、「住むべき場所を見失った今、私達はどこへ向かわなければいけないのだろう」という亡霊の声によって、近代化の過程でイデオロギーの犠牲となった出来事を浮かび上がらせるパフォーマンスを行うなど、彫刻という造形要素と、肉体を使ったパフォーマンスの双方によって有機的な総体としての作品を生み出しています。
本展では、都市に生きる人間存在の危うさを象徴すべく、社会においての〈思考停止〉や〈機能不全〉に陥った状態を〈脳死した都市〉として形象化したインスタレーション作品を発表いたします。都市という幻想、人間の精神/身体の在り方が、オル太による彫刻表現によって炙り出されるでしょう。会期中には、1960年代から1970年代初頭にかけて活動した過激な最左派・前衛芸術集団、アート・テロリスト〈ゼロ次元〉の加藤好弘氏を迎え、オル太とのトークセッションを行います。
 
トークイベント
出演:加藤好弘(ゼロ次元)、オル太
日時:2015年2月28日(土)18:00-20:00
場所:Nadiff a/p/a/r/t店内にて

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写真: 加藤健