Format
installation
painting
作家のおじさんが福井県小浜市で営むという鮮魚店と飲食店をテーマにした作品です。話の発端は店舗を飾る看板の制作依頼だったとか。ゆえに大きな画面には、日本の人魚伝説「八百比丘尼」や、小浜市にちなみオバマ大統領、名産へしこさばPRのためのキャラ「さばトラななちゃん」に至るまで、土地に縁のイメージがぎっしりと詰め込まれています。おじさんは映像の中で、店の来し方行く末について作家に熱く語ります。おじさんが誇る豊かな海は、同時に原子力発電所を抱えて地域経済が成り立つ場所でもあります。海と家族の歴史をめぐる個人の時間と、原発をめぐる生々しいポリティクスが一つの視野に収まる、肉親だからこそ見出すことのできた特異な視点から、この作品は組み立てられています。
テキスト=蔵屋美香
展覧会:TOKYO WONDER SITE EMERGING 2012
会期:2012年8月4日ー8月26日
会場:TOKYO WONDER SITE本郷