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耕す家

2019 / House 2009- /

オル太は「collective(英: 集団的、集合的)」であることに極めて自覚的なアーティスト集団です。その活動はメンバーが持ち寄ったアイデアを、ドローイングをもとに描き合わせ、作品コンセプトとして興すことから始まります。そうしてオル太は個性の発揮とは別のところで、個々の身体感覚や経験をベースに社会や歴史と向き合うための器であろうとし続けてきました(《ドグウニンゲン》《GHOST OF MODERN》など)。また土着の祭りの所作を積極的に取材し、制作したボードゲームを様々な国や地域の参加者とプレイし、新たな芸能として立ち上げる近年のプロジェクト《TRANSMISSION PANG PANG》などに見られるように、オル太の制作は仮設の場を立て遊ぶことから、幻想の共同体を構築し、現実社会を捉えなおそうとする点に特徴があります。そんなオル太の作品から今回の展示では、日本のどこか地方で制作と耕作を共に行う場——《耕す家》やそこで行われた「大嘗祭」を踏まえたインスタレーション作品を紹介します。そうして食と社会を支える「農」の営みにオル太の身体感覚に根ざした共同幻想が迫る。そこには根を同じくすると言われる文化(英: culture)と耕すこと(英: cultivate)の網の目からこぼれ落ちる土を養分として、大地を耕そうとするミミズを想起するとともに、米を始めとする様々なモノと連帯しながら生きる人びとという、古く新しい「常民」像を見て取ることができるようです。
(奥脇嵩大、「青森EARTH2019:いのち耕す場所 -農業がひらくアートの未来」カタログより)
 
レビュー:
・農業から見えるこの国の課題。保坂健二朗評「青森EARTH2019:いのち耕す場所 −農業がひらくアートの未来」|美術手帖
・「ローカル」とは何か:青森県立美術館の二つの展覧会をめぐって|工藤健志|artscape
 
展示「青森EARTH2019:いのち耕す場所 -農業がひらくアートの未来」
会期:2019年10月5日(土)-12月1日(日)
会場:青森県立美術館、青森
 
http://www.aomori-museum.jp/ja/event/88/#anchor4
 
オープニングパフォーマンス
日時:10月5日(土)13:00~13:45
出演:オル太
集合:エントランスギャラリー
料金無料・申込不要
 
2 連続講座「美術館堆肥化計画」【青森県立美術館サポートシップ倶楽部共催事業】
農業にまつわる思想や社会実践をヒントに、美術館や大地に根ざしたアートの可能性を皆で考えるための連続講座
第5講「ミミズの径行き ー飛び地のヴィジオネールⅡ」
講師=オル太(アーティストコレクティブ/企画展参加作家)、椹木野衣(美術批評家)、山内明美(歴史社会学者)、豊島重之(演出家/故人)
2019年11月30日(土)13:30-16:30
 
 
『耕す家』ドキュメントブック 2019
 
農耕と芸術から活動する生を問うために、『耕す家』(Cultivate House)と題した自作の家を、2019年の7月から9月中旬まで千葉県北東部農村地域の不耕作地に設営した。山と田んぼに囲まれた土地には、他に家はなく住民は田んぼよりも上の土地に居を構えている。その土地の一角で2つの建造物(母屋と離れ)を設営した。母屋には居間と3段ベッドがある。離れは便所であり、二つのコンポストイレと三角コーンを用いた小用便器、便の重量を測る秤が設置されている。この場所で滞在しながら、手作業での稲刈りや足踏み脱穀機、唐箕、風選を駆使して稲作の工程を進めて、土器や版画制作、竹簡日 、定点撮影、便の記録などによりこの場所での活動を記述した。家の壁や床に本プロジェクトのコンセプトや稲作の工程をソリッドマーカーなどで描き、木版リトグラフの版にした。些細な事から大きな出来事まで、様々な変化の中、農と芸術の作業を繰り返す不耕作地での日常の記録をここに纏める。家の設計図から滞在記録、版画や土器などが収められたドキュメントブック。(日英テキスト入り、限定20部)
 
制作監修:edition.nord consultancy/秋山伸
表紙・扉デザイン:宮原慶子
本文デザイン:メグ忍者
編集、制作:オル太
助成:公益財団法人 小笠原敏晶記念財団
発行:オル太
発行日:2021年11月8日
特装版:20部
価格:22000円(税込)
購入サイト(BASE) http://https://olta.thebase.in/items/47303356

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1,4,6-8 写真:大西正一 / 2,3,5,9-12 写真:オル太
展示『青森EARTH2019:いのち耕す場所 -農業がひらくアートの未来』青森県立美術館 2019年

『耕す家』ドキュメントブック