Format
document
performance
このかるたは、アーティストコレクティブ「オル太」の活動のドキュメンテーションとして制作されました。読札はヴァーバル・アート・ユニット「TOLTA」のメンバーを中心に現代詩の詩人たちが書き下ろし、絵札はオル太自身が担当しています。しかしなぜ、芸術の記録が「かるた」というかたちをとったのでしょうか?
パフォーマンス、インスタレーション、観客によるまちの移動など、様々な形態をとるオル太の作品では、パフォーマーと観客の身体、そしてそれが位置する空間と時間が、重要な要素になっています。
ある枠組みの中でしか成立しない、特別な空間、時間、身体を、どのように記録し、伝えることができるでしょうか? この問いへの一つの試みとして、わたしたちは、空間と時間の中にある身体的な芸術表現を、別の空間と時間をもつ別の身体表現へと翻訳する、 という方法を採りました。インスタレーションが置かれていた空間 と時間が、パフォーマーの身体が、わたしたちがこのかるたで遊ぶ空間、時間、身体へと、変容します。オル太の作品群を開く詩は、 そこに含まれていたものたちを、あらたな質感で伝えます。
このかるたは、オル太と企画チームの構想から始まり、そこにTOLTAが加わりました。広く記録の可能性は、すでに完結した内 容や価値を社会に伝達することにとどまりません。記録を残す場が 人々の集まるプラットフォームとなり、記録するプロセスそのもの が表現になり、記録の受容もまた表現行為に近づくとき、オリジナ ルとしての作品を縮小再生産するのではない、豊かなドキュメンテーションが生まれるのではないでしょうか。
オル太の活動から詩 が生まれ、かるたができあがりました。それが声になり、札が何度も散らばります。手元に集まった札を自由に並べてみてください。オル太の活動は、そこに、その都度、記録されているでしょう。わたしたちがこのかるたを上演するたびに、オル太の活動は記録され、記録され直し、新しい姿 を浮かび上がらせるでしょう。その空間と時間の中に、声と身体とイメージが描く模様の中に、オル太の、そしてわたしたち自身の、過去、現在、未来が、見えてくるでしょう。
企画者を代表して 林立騎
オル太かるた
価格:3,500円(税別) 限定500部
制作:オル太
企画:桂英史+田中沙季+林立騎
詩:カニエ・ナハ/河野聡子/佐次田哲/関口文子/山田亮太
編集:山田亮太
デザイン:河野聡子
発行:コミュニティデザイン協議会
個展:「カルタナティブスペース」
会期:2016年6月24日(土)ー7月30日(日)
会場:nap gallery、東京
http://napgallery.jp/en/exhibitions/cartanative-space/
この度、nap galleryでは6月24日(金)から7月30日(土)まで、2年ぶりとなるオル太個展「カルタナティブスペース」を開催いたします。
本展では、2009年に結成した当時から現在までのオル太作品をモチーフとしたかるたを展示、販売いたします。
結成当時の貴重なドローイング、映像作品などを展示した中で、かるた大会も開催しますので是非ご高覧ご参加下さい。
トーク
6月24日 18時〜19時 桂英史×林立騎×Jang-Chi(オル太)
桂英史◉東京藝術大学院映像研究教授。専門はメディア研究、 社会芸術論、図書館情報学。著書に「インタラクティブ・マインド」(NTT出版)「東京ディズニーランドの神話学」(青弓社)
林立騎◉翻訳者、演劇研究者。東京藝術大学特任講師(geidaiRAM)、Port観光リサーチセンター所長。訳書にイェリネク「光のない。」(第5回小田島雄志翻訳戯曲賞)。
かるた大会
6月24日 19時〜
7月16日 15時〜
7月30日 15時〜
Format
drawing
installation
performance
sculpture
workshop
本展ではこれまでの集大成として、作品『オルガネラ』が当館の中庭に出現し、オル太のパフォーマンスによって命が吹き込まれる。古代からの生命、記憶、リズムを想起させつつ、現代の廃棄物の断片ものぞく土層とともに、巻貝からミジンコ、鶏や牛などの生命体と内臓などの体内モチーフが互いに独立しつつも関係し合う様が、渦巻きのようにねじれ伸びるフォルムでダイナミックに表現される。(キュレーター 吉岡恵美子、「内臓感覚ー遠クテ近イ生ノ声」展カタログより)
オルガネラと呼ばれるそのオブジェは、内と外が地層と内臓として表現され、大きな波のようにうねり捻れている。細胞小器官を意味するこの語を、細胞が共生する為の一つの器と捉えて、自らが一つの細胞となり、オルガネラの周縁で新たな身体の予感を感じて蠢めく。
オルガネラ。
地層と内臓は表裏一体。
大きく波のようにうねりねじれている。
オルガネラ。
アリストテレスは、動物の体壁を「オルガノン」と呼んだ。
オルガネラ。
細胞小器官を意味する語。
オルガネラ。
細胞が共生する為の一つの「器」。
オルガネラ。
その「器」に、細胞が集まり蠢いている。
オルガネラのパフォーマンスは雨の中でも行われる。その日の光景は、生命の進化をうねるように表現された立体、オルガネラが大海を泳ぐようだった。ドローイングは「胎海を泳ぐ」(2013)。ミジンコの中に体をはめ込んだ人物は胎児の記憶を遡り生命の起源を夢想する。
特設webサイト:http://www.olta.jp/organella/
展示「内臓感覚 ー 遠クテ近イ生ノ声」
会期:2013年4月27日(土) ー2013年9月1日(日)
会場:金沢21世紀美術館、金沢
オル太パフォーマンス:「オルガネラ」
会期:2013年4月27日(土) ー2013年9月1日(日)、会期中の金、土、日、祝日
会場:「内臓感覚 ー 遠クテ近イ生ノ声」会場内光庭
ライブ・イベント:「オルガネラナイト ー14歳のインセクト」
日時:2013年8月22日(木)
会場:Kapo-Kanazawa Art Port
時間:19:00~21:00(Open:18:30)
主催:オル太
ゲスト:たんきゅん、だつお
Adv:¥1000Yen/Door:¥1500
※Adv=オル太宛に「8月22日行きます!」などのメール(mail@olta.jp)、またはtwitter(@olta_jp)宛にリプライで1000円!
ワークショップ:「オルガネラワークショップ」
日時:8月8日(木)10:00~17:00
8月9日(金)9:00~12:30
対象:小学生以上で両日参加できる方
定員:10名
講師:オル太
参加料金:2,000円
金沢21世紀美術館:2日間連続オル太『オルガネラワークショップ』
木埜下大祐とのコラボレーションパフォーマンス:「オルガネラ管」
日時:2013年8月11日(日)
フルート奏者としての活動のみならず、作曲家としてアートとのコラボレーションも手がける木埜下大祐を《オルガネラプロジェクト》のコラボレーターとして招き、展覧会場内光庭にて特別パフォーマンスを展開します。
時間:開場時間中随時
会場:オル太の作品が展示されている光庭
2013年7月下旬頃
川久保ジョイとのコラボレーション作品公開開始「オルガネラと特異点の音」
写真家・川久保ジョイとのコラボレーションによるこの企画では、「バイノーラル録音」といわれる特殊な録音技術を用いて収録したパフォーマンス時の音声から、《オルガネラ》と鑑賞者が交錯する新たな視点を提示します。《オルガネラ》をめぐって身体の外と内とで響く二つの音が極めて高い臨場感をもって再現されます。
公開開始日:7月下旬予定
会場:展示室11横休憩スペース
2013年4月28日(日)
「内臓感覚 ー 遠クテ近イ生ノ声」
アーティスト・トーク
会場:金沢21世紀美術館 レクチャーホール
トーク内容はこちらでお聞きになれます。
金沢21世紀美術館のポッドキャスティング まるびぃ on the RADIO
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1-4: Photo: 安齊重男
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5-6: Photo: 本城直季
7-8: Photo: 牧野智晃、本城直季
オルガネラドローイング:胎海を泳ぐ
2013
素材・技法 色鉛筆、ペン/紙
サイズ H20.2×W28.7cm
オルガネラドローイング:Cell's performance
2013
素材・技法 色鉛筆、ペン/紙
サイズ H17.8×W25.7cm
オルガネラドローイング:アンモナイトを中心に反時計まわり渦中へ吸い込まれる
2013
素材・技法 色鉛筆、ペン/紙
サイズ H25.7×W18cm
オルガネラドローイング:稲と電柱に扮する
2013
素材・技法 色鉛筆、ペン/紙
サイズ H17.9×W25.6cm
オルガネラドローイング:スカラベの転がすあれ
2013
素材・技法 色鉛筆、ペン/紙
サイズ H25.6×W18cm